生活保護の在り方を考える(布川日佐史・静岡大学教授)より
国民全体の消費水準をもとに相対的に決めているのであって、
人間として尊厳のある生活をするには
最低これだけのニーズがあり、
それを満たすにはこれだけの金額が絶対的に必要だ
というような考え方ではない。
したがって生活保護費は、
基礎年金や最低賃金よる収入より高い水準になる。
逆の言い方をすれば、
基礎年金は、
人間として尊厳のある生活を保障できなくて良いことになっている。
基礎年金は老後の生活費の一部を支える
というのが制度発足以来の原則であり、
保険料を完納したとしても、
基礎年金の給付額は生活保護費よりも低い。
最低賃金も、
人間として尊厳のある生活を保障しなくて良いことになっている。
働いて得た賃金が最低生活費を上回るのが当然と考えるのが普通だが、
現在の最低賃金は企業の支払能力の範囲内で良い
という決め方をしている。
最賃で一ヶ月間フルタイム働いた手取り賃金が
生活保護費以下になったとしても
仕方がないということになっている。
制度設計からすると、生活保護基準が高いのではなく、
最賃や基礎年金をナショナルミニマム以下の額で良い
としてきたのが問題なのである。